活法

整動鍼が真の姿を現す〜整動鍼応用セミナー連動思考編レポート〜

7/16,17に整動鍼応用セミナー連動思考編に参加しました。


活法から生まれ、即効性、持続性、再現性を特長とし、全国に多くの反響を呼んでいる整動鍼ですが、今年ついに待ちに待った応用セミナーが開催されました。

これまでに開催された基礎セミナー、脊柱編、四肢編、腹背編は整動鍼の特長を学ぶためのもので、人間の体にある連動の仕組み、それを調整するためのツボの特徴(精度が良くないと効果が出ない)、それによって得られる鍼の可能性を存分に学ぶことができます。


基礎の3編だけでも様々な症状に対応できます。

腰痛、肩こり、五十肩、膝痛、頭痛、坐骨神経痛など鍼灸院で扱うことの多い症状はもちろんのこと、過敏性腸症候群、突発性難聴など病院でも治療が難しいとされるような症状にも大きな効果を発揮し、各分野の専門治療院をつくる人も出るほどです。



しかし全ての症状に100%の対応ができるわけではありません。

基礎編のみでは難しい症状もあれば、時間がかかり過ぎてしまうもの、全く歯が立たない症状と出会うこともあります。

そうした場合、活法や整動鍼以外の技術との併用で対処するしか手がありませんでした。



しかしそれは整動鍼の地位の低下を意味しません。



なぜなら基礎編はあくまでも基礎であり、まだ公開されていない未知の整動鍼の姿があるからです。

その真の姿の正体が今回の応用セミナーです。



言うなれば基礎編は矢のようなもの、それ自体を使っても攻撃力はありますが、まだその可能性を存分に引き出せてはいません。

今回の応用編は矢を生かすための弓です。

弓である応用編の技術によって、矢である基礎編の技術は射撃範囲を広げ、その威力を存分に発揮することができます。

実際応用編を使うことで、腰痛や肩こりを初めとしたほとんどの症状に対しての治療がパワーアップするのみならず、線維筋痛症、足底筋膜炎、鵞足炎など、通常の治療では中々結果の出ない症状にも対応できるようになります。

射程範囲の広さには驚きです。


また応用編の大きな特徴として、連動を紐解くことで人間の体の動きがどのようにデザインされているのかを知ることができます。

今回のセミナー内容の一部である細分化された肩首の連動を知ると、人間の体の動きの精巧さ、肩こりというものの奥の深さを感じ、それに付随する耳鳴や難聴、顔面神経麻痺などの治療の難しさも再認識できます。

しかしその奥深さを知るということは人体を深く理解し、症状にも細かく対応できるようになるということであり、治療の可能性の広さをも表しています。

応用編セミナーは鍼灸師個人個人の治療技術の可能性だけでなく、鍼灸治療そのものの可能性を広げてくれるような気がします。



セミナー後の修了式で整動鍼創始者の栗原先生がこんなことを述べました。

「今回のセミナーは『脊柱編・完全版』という感じの内容です」

今後開催予定の応用セミナーは四肢編、腹背編の上位に位置するセミナーであるとのこと。

整動鍼とは「体にある連動という仕組みを学ぶことで、人体の動きの本質を理解するための知識と技術の体系」であると思います。


応用セミナーを3編身につけた先に、一体どんな世界が広がっているのか、今から楽しみです。

活法体を目指して〜活法応用セミナー体幹編レポート〜

7/9,10に活法応用セミナー体幹編に参加してきました。


腰痛編、腰背編の上位セミナーというだけあって、脊柱管狭窄症、すべり症、様々なパターンの腰痛への対応など、今までの内容では手が届かなかった部分をしっかりフォローしている内容。
これで腰痛への対応の幅は格段に広がります。


使った例としては、仰向けで梨状筋の導引をすると痛みが出る人に座った状態の技を使ったり、腰をそらすのが辛い人に胸椎の牽引を使ったり、腕を使っていて起こったぎっくり腰に三頭筋打ちを使ったり、施術を終えてもベッドから立ち上がるのが不安な人への誘導法など。

メインとして使うよりも今までの技にサブとして使うと思った以上の効果が現れる感じがします。





活法セミナーは入門→基礎→応用と段階が上がっていきますが、難易度順ではありません。

入門 → 臨床において使用頻度が高いもの
基礎 → 入門に加えて症状や部分に特化したもの
応用 → 入門、基礎に入りきらなかった技、使用頻度は高くないが、覚えておくといざという時に役に立つ技


という構成になっているので、入門セミナーを修了した時点でいきなり臨床で達人になったような気分に浸れます。

そして徐々に「この場合はどうするんだろう?」という疑問が生まれますが、その答えが基礎編にあります。

さらに「たまにあるこの症状、どうしたらいいんだ!」という時が到来するわけですが、ここで「やってて良かった応用編」となるわけです。


上手くできたカリキュラムだなぁと思います。




人間の体は複雑です。

1つの技でどんな症状でも解決できるわけではありません。

数多くの技を知り、使えるというのは対応力の広さになります。

仮に使う場面が無かったとしても、「知り、使える」状態にあるというのは重要です。

死ぬまでに一度しか使う機会がなかったとしても、その一手で症状が改善した患者さんにしてみれば救いの一手です。

そういった一手をおろそかにするべきではないと思ってセミナーに通っています。





2015年の7月から活法を習い始めて丸2年、やっとコンプリートできました。

本当の技術というものは時間をかけないと身につきません。

セミナーコンプリートは形を知り、技術を身につける段階に来たという証でしかないと思っています。

以前のブログでも書きましたが、技術とは「それを体現できる体そのもの」です。

肉体は脳の命令で動くとされています。

その命令プログラムが技であり、見た目では分からない流派独特のプログラムがあります。

活法は学びさえすれば誰でも形の真似はできますが、「活法を体現できる体」が必要です。

自然体ならぬ「活法体」を目指して修行の日々は続きます。

復習は真の始まり

7/2,3に活法入門セミナー復習編に参加してきました。

活法入門セミナーには腰痛編、肩こり編、骨盤編の3編があり、それぞれ10手前後の技を教わります。

入門セミナーというと簡単ではあるものの出番が少ないようなイメージがあると思いますが、このセミナーは臨床で使用頻度の高い技ばかりを集めています。

例えば腰痛編にある通称「腰痛パターン」などはこれだけで腰痛の人の体にほぼ間違いなく変化を出せます(私個人の感想です)。



本セミナーでは2日間で10手ほどの技を習います。

活法を学ぶことそのものが初めての人も多いのですが、参加定員役15名に講師3人という少人数制のため、分からないことはどんどん質問できます。

また活法は技の形通りにやれば誰でもそこそこの成果を出すことができるので、2日間で形をしっかり習得できるように実技練習メインのセミナーです。

参加した誰もがセミナー翌日から患者も施術者もビックリするような成果をあげています。


しかし「そこそこの成果」では満足できないのが治療家というもの。

患者さんの為にも自分の為にもより高いレベルを求めるようになってきます。


そこで重要なのが復習会です。




本セミナーに再度参加するのも一つの方法ではありますが、遠方から参加している私のような人間にとっては1回のセミナーで総復習ができるのはありがたい限りです。

また「参加条件が入門セミナー3編を全て修了済み」ということで、参加者がすでに形を知って臨床でも使っている方々ばかりなので、練習でも細かいことを指摘し合える上、講師の先生にもより深く話を聞くことができます。







今回の私の収穫は大きく2点です。


①導引や操法の体の使い方

活法の技には術者と患者が協力して筋肉を調整する「導引」、術者が患者の体をコントロールして調整する「操法」があります。

どちらも「手先ではなく体を使う」ということが大事なポイントになるのですが、その使い方が自分の中でシックリきていませんでした。

特に「牽引」の技に苦手意識が強かったのですが、今回は体の使い方が見えてきたため「牽引」の技が得意技に昇格しました。



②体の位置どり

体の使い方を生かすためには的確な場所にいないといけません。

この場合の位置は「自分の楽な場所」ではなく「結果として楽に動ける場所」です。

自分が楽だと思っていても、実は楽ではない、ということはよくあります。

日常の自分では入っていかない位置に一歩踏み出すことによって技が飛躍的に楽に行えます。


今回特に感じたのは「股関節抜き」という技の時で、わずかな位置の違いで急に技の精度が変わりました。






私が学んでいる合気道では「初段で入門」と言われ、そこから真の稽古が始まると言われています。

初段というと基本的な技の形は全て覚え、できるようになっていますが、技の精度や達人の体を踏襲していくのは正しくそこから。

形を覚えないことには中身の稽古はできません。


活法も本セミナーで形を学び、復習に参加してから技を本物にしていくための稽古が始まると思います。

技の形を学んだだけではただの整体術。
そこから体の原理や考え方、その他諸々を知ることで真に「活法」になっていくのだろうと思います。




まあそんな小難しい話はさておき、活法の稽古は楽しくて仕方がありません。

自分が変わっていく楽しさ、目の前で繰り広げられる魔法のような技が自分の手で再現できる楽しさ、体が変化し楽になって笑顔になった患者の顔を見る楽しさ、色んな楽しさが活法の周りにはあります。

また治療が楽しくなりそうです。

日常生活に生かす活法の所作

活法には「置き直し」という所作があります。

施術前に患者さんの腕や足の位置を変えたり、乱れた服の裾を整えたりするというちょっとしたことなのですが、これだけで患者さんの関節の可動域が増したり、筋力が強くなったりします。

もちろん治療ではないので劇的な変化ではなく微量な変化ではありますが、施術を始める前にすでに体は良くなり始めているので、ただ施術するよりも有利です。

体が整うと自然に心も安心してきます。
置き直しの一手を加えることで術者も患者さんも安心して施術に臨めるというわけです。




この置き直しは治療だけのものかというとそうではありません。

実際に試してみましょう。


①まず上体を前屈して床にどのくらい手がつくか、腕を前からまっすぐ上げてどこまで動かせるかを調べておきます。

②次に部屋の中にあるものを置き直します。
テーブルやティッシュの箱、時計、置きっ放しのペンや雑誌など何でもいいです。
綺麗に整頓するように置き直してください。

③再び①で確認した動きを調べます。



どうでしょうか?おそらく置き直した後の方が動きが楽になり、床に手がより近づくとか、肩がより動くとかの変化が出ていると思います。
(変化はあまり大きくないので人によってはあまり変化を感じないかもしれません)

変化を感じにくい場合はもっと沢山のものを置き直してみると分かるかもしれません。



この置き直しは我々が日常生活の中で当たり前のように行っています。

朝仕事を始める前にデスク周りを片付ける、掃除する、靴を脱いだら揃える、出入りした戸を最後まで閉める、など、全て置き直しの要素が入っています。

置き直しによって活動しやすい環境を作るわけです。





個人的な感覚としては「その時の自分にとっていい位置に自分の体が自然に対象を置き直している」ように感じます。

だから置き直しは「自分で行うこと」で自分が活動しやすい空間を作れます。

自分のいないときに自分の部屋を他の誰かに片付けたり掃除されると、きちんと片付いているのに、ちょっと動かして調整したくなることってあると思います。

そうやって自分の手で置き直すことで自分の空間になるんですね。





わずかな変化なので重要視しない、という人もいると思います。

他人に強要することでもありません。

でも小さな変化の積み重ねの実践はいざという時の自信や落ち着きを生んでくれます。

それに、ちょっとした変化でも体が動きやすい状態にあるというのは気分がいいものです。


ぜひ日常生活で「置き直し」を楽しんでみてください。

臨床では見えない鍼灸師の体の使い方〜整動鍼触診刺鍼実践編セミナーレポート〜

◯鍼灸師にとって重要なもの

鍼灸師が治療を行う上で重要なのは手の指です。

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治療に必要なツボ取りをするにも、鍼を刺すにも指の扱い方と指先の感覚はとても重要です。

指は患者の体の状態を読み取るセンサーであり、ツボ取りの探知機であり、患者に施術者の情報を伝える発信器でもあります。
そのため鍼灸師はそのケアにも気を遣います。日々爪の長さに気を配り、切る道具にこだわりを持つ人もいます。

人によってはボールを直接手で扱う球技は一切やらないとか、指を守るために家事は家族に任せて一切せず、指を大切に扱っているなどという話も聞くことがあります。


大事だという割に指や手の使い方、患者さんへの触れ方などを教わる機会というのはそれほど多くありません。

この辺りのスキルはセミナー的に「体の使い方」というカテゴリーに入るのですが、巷に溢れる治療家のためのセミナーのDMなどを見ると「一瞬で○○の症状が治る奇跡の治療法!」というような理論や技術に関わるものばかりです。





◯「鍼治療以前」を学ぶセミナー

今回はそんな体の使い方を学ぶセミナーに参加してきました。
そのセミナーは6/4に開催された「整動鍼セミナー触診刺鍼実践編」

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整動鍼セミナーは開催当初から体の使い方を重要視していて2日日程の1日目のセミナー後に「触診塾」と題して体の使い方を学ぶ任意参加のセミナーの時間を設けていました。

しかし帰宅しなければならず参加できない人、もっとしっかり時間をとって教わりたい人達の要望を受け、今年から1つのセミナーとして設置されました。


内容としては触診塾でやっていた体の使い方に加え、それを実践する題材として体験会の内容のツボ取り、刺鍼をすることになっています。

体験会の内容は、使用頻度が高いにも関わらず時間の都合上デモのみとなっているため、ツボ取りの練習をする機会がありませんでした。

体験会の内容を深く学べるというだけでもかなりオイシイセミナーです。




◯手の使い方は◯◯が重要

セミナーでは自分では中々気づくことのできない内容が惜しげもなく説明され、指導されます。

患者さんへの声のかけ方、近づき方、触れ方など、1つとして疎かにしていいものではありません。

患者さんへの触れ方では距離感、指の使い方、患者さんの状態の捉え方、評価の仕方などが説明されます。

患者さんに手で触れるので皆手や指の使い方ばかりを気にしてしまうのですが、手の使い方をよくするには、姿勢や目線、距離感など、手以外の体の使い方が重要です。


姿勢が悪いと触り方が雑になります。


目線や距離感が不適切だと患者さんに不快感や圧迫感を与えます。



誰もが聞けば「そうそう!」と納得するものの、いざ実践となると知らないうちに悪い例をやってしまうもの。

体の使い方の訓練は、自身の無意識の動きの訓練でもあります。




◯鍼のための訓練は鍼の実践でのみ学ぶものか?

整動鍼のセミナーで体の使い方の話を聞いていると活法を思い出します。

注意するべきポイントが全く同じだからです。

坐骨上げ

画像は活法研究会のHPより



整動鍼は活法から生まれたと言っても過言ではない技術なので当然といえば当然のことなのですが、最近は整動鍼のみを学ぶ人も増えてきたので知らない人もいるかもしれません。


整動鍼は鍼という道具を介して治療をしています。

またツボの定義がシンプルで鍼をしての効果がハッキリしていて、再現性が高いのも特徴です。


しかし、ここに1つの問題があります。









鍼という道具、整動鍼の理論が優秀すぎるが故に、体の使い方がまずくてもそこそこの成果が出せてしまうのです。



もちろん体の使い方が加わればよりツボ取りの精度が上がるため治療効果もより高まります。


一方、活法はというと体の使い方が技の成否を決定します。形だけを真似しても体の使い方という中身が伴わないと治療になりません。

いやでも体の使い方は上手くなっていきます。

活法は間違いなく整動鍼を扱う能力を底上げしてくれます。

「整動鍼を学ぶ者は活法もまた学ぶべし」と強く思います。



今回のセミナーは整動鍼を扱う上での活法の重要性を再認識することになりました。

整動鍼と活法の両方を学ばなければ見えない世界があります。
その可能性は未だに広がり続けています。

鍼灸界の革新はまだ始まったばかりです。
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