新幹線に乗り込むやすべての客は一目散に自分の席へ急ぐ。全席指定なのだからもう少しゆっくり歩いたらとも思うが、皆が急ぐのには理由がある。
自分の席を確保し大きな荷物を棚に上げると、方々からビニール袋を開ける音。次いでビニールを裂く音や「プシュッ!」という缶ビールの蓋を開ける音、「パリッ」という割り箸を割かつ音が縦横無尽に聞こえてくる。

新幹線の出発は20時16分。皆お腹が空いているのだ。

私も乗り込む前に買った弁当を自席のテーブルに広げ、食欲を存分に解放しながらここ何日かのことを思い出していた。



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ここから先は食事中の方は読むのはお控えください。



◯濁流
木曜日の夜のこと。布団に入ると急に震えがした。中々止まらない。
「え?寒い感じはしないけど、俺寒いのか?」
よく分からなかった。取り敢えず毛布を一枚増やし、少し震えが収まったところで眠りにつく。
夜中に一度腹痛で起きてトイレに行く。この時便器には茶色の濁流が流れていた。

金曜日。震えがまだ残っていて、動けないわけではないが少しフラフラもする。昼に鍋焼きうどんを食べたのに汗が一滴も出ないというのはやはり尋常ではない。結局数件の治療予約だけをこなしあとは家で休んでいた。
濁流は黒く変色していた。そんなに水分だらけならそっちから出なくたっていいだろうと正直思うが体が必要があってやっているのだから文句も言えぬ。

こういう時に技術の「型」というものは心からありがたい。自分の体調に関係なく型が結果を導いてくれる。我流ではこうはいかぬ。

土曜日。今度は熱が上がり、完全にフラフラしている。濁流の勢いはとどまるところを知らない。前日から家族が寝ている間も続いていた1時間から1時間半に一度のほぼ定期的とも思える便意とトイレ通いにはもう何の珍しさもなくなっていた。

「本当にこれで明日東京のセミナーに行けるのか?」
父親が声をかけてきた。

少しかすれてしまった声で答える。
「多分大丈夫。今回は腹背編だから・・・」



◯今回のセミナーの正体

そう。今回参加したセミナーは整動鍼セミナー腹背編。


「体幹の弾性と内臓機能を安定させる」というサブタイトルのついたこのセミナーは一見すると整動鍼の特徴である「動きを整える」と関係なさそうにも思えます。しかし整動鍼の理論の中でもかなり重要度の高い分野であり、長い鍼灸の歴史を一部紐解くような内容でもあります。
昨年の11月に私が初めて参加した整動鍼セミナーがこの腹背編で、今回は復習での参加。内容が分かっているので、セミナー内で自分の症状が改善できるのも分かっています。
はっきり言って


参加しない理由が分からない


くらいに私にとっては参加は当然のことでした。


しかし移動中でも濁流は私を飲み込むべく襲ってきます。時に自然の力は人間の予測をはるかに超えます。
少なくとも公共交通機関の中で生きた公害のような存在になる事態だけは避けなければなりません。

しかし症状は悪化する一方。一晩かけて可能な限り体調を回復させる必要があります。

長い夜が明け、その日がやってきました・・・。


後編に続く



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