復習は真の始まり

7/2,3に活法入門セミナー復習編に参加してきました。

活法入門セミナーには腰痛編、肩こり編、骨盤編の3編があり、それぞれ10手前後の技を教わります。

入門セミナーというと簡単ではあるものの出番が少ないようなイメージがあると思いますが、このセミナーは臨床で使用頻度の高い技ばかりを集めています。

例えば腰痛編にある通称「腰痛パターン」などはこれだけで腰痛の人の体にほぼ間違いなく変化を出せます(私個人の感想です)。



本セミナーでは2日間で10手ほどの技を習います。

活法を学ぶことそのものが初めての人も多いのですが、参加定員役15名に講師3人という少人数制のため、分からないことはどんどん質問できます。

また活法は技の形通りにやれば誰でもそこそこの成果を出すことができるので、2日間で形をしっかり習得できるように実技練習メインのセミナーです。

参加した誰もがセミナー翌日から患者も施術者もビックリするような成果をあげています。


しかし「そこそこの成果」では満足できないのが治療家というもの。

患者さんの為にも自分の為にもより高いレベルを求めるようになってきます。


そこで重要なのが復習会です。




本セミナーに再度参加するのも一つの方法ではありますが、遠方から参加している私のような人間にとっては1回のセミナーで総復習ができるのはありがたい限りです。

また「参加条件が入門セミナー3編を全て修了済み」ということで、参加者がすでに形を知って臨床でも使っている方々ばかりなので、練習でも細かいことを指摘し合える上、講師の先生にもより深く話を聞くことができます。







今回の私の収穫は大きく2点です。


①導引や操法の体の使い方

活法の技には術者と患者が協力して筋肉を調整する「導引」、術者が患者の体をコントロールして調整する「操法」があります。

どちらも「手先ではなく体を使う」ということが大事なポイントになるのですが、その使い方が自分の中でシックリきていませんでした。

特に「牽引」の技に苦手意識が強かったのですが、今回は体の使い方が見えてきたため「牽引」の技が得意技に昇格しました。



②体の位置どり

体の使い方を生かすためには的確な場所にいないといけません。

この場合の位置は「自分の楽な場所」ではなく「結果として楽に動ける場所」です。

自分が楽だと思っていても、実は楽ではない、ということはよくあります。

日常の自分では入っていかない位置に一歩踏み出すことによって技が飛躍的に楽に行えます。


今回特に感じたのは「股関節抜き」という技の時で、わずかな位置の違いで急に技の精度が変わりました。






私が学んでいる合気道では「初段で入門」と言われ、そこから真の稽古が始まると言われています。

初段というと基本的な技の形は全て覚え、できるようになっていますが、技の精度や達人の体を踏襲していくのは正しくそこから。

形を覚えないことには中身の稽古はできません。


活法も本セミナーで形を学び、復習に参加してから技を本物にしていくための稽古が始まると思います。

技の形を学んだだけではただの整体術。
そこから体の原理や考え方、その他諸々を知ることで真に「活法」になっていくのだろうと思います。




まあそんな小難しい話はさておき、活法の稽古は楽しくて仕方がありません。

自分が変わっていく楽しさ、目の前で繰り広げられる魔法のような技が自分の手で再現できる楽しさ、体が変化し楽になって笑顔になった患者の顔を見る楽しさ、色んな楽しさが活法の周りにはあります。

また治療が楽しくなりそうです。

日常生活に生かす活法の所作

活法には「置き直し」という所作があります。

施術前に患者さんの腕や足の位置を変えたり、乱れた服の裾を整えたりするというちょっとしたことなのですが、これだけで患者さんの関節の可動域が増したり、筋力が強くなったりします。

もちろん治療ではないので劇的な変化ではなく微量な変化ではありますが、施術を始める前にすでに体は良くなり始めているので、ただ施術するよりも有利です。

体が整うと自然に心も安心してきます。
置き直しの一手を加えることで術者も患者さんも安心して施術に臨めるというわけです。




この置き直しは治療だけのものかというとそうではありません。

実際に試してみましょう。


①まず上体を前屈して床にどのくらい手がつくか、腕を前からまっすぐ上げてどこまで動かせるかを調べておきます。

②次に部屋の中にあるものを置き直します。
テーブルやティッシュの箱、時計、置きっ放しのペンや雑誌など何でもいいです。
綺麗に整頓するように置き直してください。

③再び①で確認した動きを調べます。



どうでしょうか?おそらく置き直した後の方が動きが楽になり、床に手がより近づくとか、肩がより動くとかの変化が出ていると思います。
(変化はあまり大きくないので人によってはあまり変化を感じないかもしれません)

変化を感じにくい場合はもっと沢山のものを置き直してみると分かるかもしれません。



この置き直しは我々が日常生活の中で当たり前のように行っています。

朝仕事を始める前にデスク周りを片付ける、掃除する、靴を脱いだら揃える、出入りした戸を最後まで閉める、など、全て置き直しの要素が入っています。

置き直しによって活動しやすい環境を作るわけです。





個人的な感覚としては「その時の自分にとっていい位置に自分の体が自然に対象を置き直している」ように感じます。

だから置き直しは「自分で行うこと」で自分が活動しやすい空間を作れます。

自分のいないときに自分の部屋を他の誰かに片付けたり掃除されると、きちんと片付いているのに、ちょっと動かして調整したくなることってあると思います。

そうやって自分の手で置き直すことで自分の空間になるんですね。





わずかな変化なので重要視しない、という人もいると思います。

他人に強要することでもありません。

でも小さな変化の積み重ねの実践はいざという時の自信や落ち着きを生んでくれます。

それに、ちょっとした変化でも体が動きやすい状態にあるというのは気分がいいものです。


ぜひ日常生活で「置き直し」を楽しんでみてください。

臨床では見えない鍼灸師の体の使い方〜整動鍼触診刺鍼実践編セミナーレポート〜

◯鍼灸師にとって重要なもの

鍼灸師が治療を行う上で重要なのは手の指です。

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治療に必要なツボ取りをするにも、鍼を刺すにも指の扱い方と指先の感覚はとても重要です。

指は患者の体の状態を読み取るセンサーであり、ツボ取りの探知機であり、患者に施術者の情報を伝える発信器でもあります。
そのため鍼灸師はそのケアにも気を遣います。日々爪の長さに気を配り、切る道具にこだわりを持つ人もいます。

人によってはボールを直接手で扱う球技は一切やらないとか、指を守るために家事は家族に任せて一切せず、指を大切に扱っているなどという話も聞くことがあります。


大事だという割に指や手の使い方、患者さんへの触れ方などを教わる機会というのはそれほど多くありません。

この辺りのスキルはセミナー的に「体の使い方」というカテゴリーに入るのですが、巷に溢れる治療家のためのセミナーのDMなどを見ると「一瞬で○○の症状が治る奇跡の治療法!」というような理論や技術に関わるものばかりです。





◯「鍼治療以前」を学ぶセミナー

今回はそんな体の使い方を学ぶセミナーに参加してきました。
そのセミナーは6/4に開催された「整動鍼セミナー触診刺鍼実践編」

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整動鍼セミナーは開催当初から体の使い方を重要視していて2日日程の1日目のセミナー後に「触診塾」と題して体の使い方を学ぶ任意参加のセミナーの時間を設けていました。

しかし帰宅しなければならず参加できない人、もっとしっかり時間をとって教わりたい人達の要望を受け、今年から1つのセミナーとして設置されました。


内容としては触診塾でやっていた体の使い方に加え、それを実践する題材として体験会の内容のツボ取り、刺鍼をすることになっています。

体験会の内容は、使用頻度が高いにも関わらず時間の都合上デモのみとなっているため、ツボ取りの練習をする機会がありませんでした。

体験会の内容を深く学べるというだけでもかなりオイシイセミナーです。




◯手の使い方は◯◯が重要

セミナーでは自分では中々気づくことのできない内容が惜しげもなく説明され、指導されます。

患者さんへの声のかけ方、近づき方、触れ方など、1つとして疎かにしていいものではありません。

患者さんへの触れ方では距離感、指の使い方、患者さんの状態の捉え方、評価の仕方などが説明されます。

患者さんに手で触れるので皆手や指の使い方ばかりを気にしてしまうのですが、手の使い方をよくするには、姿勢や目線、距離感など、手以外の体の使い方が重要です。


姿勢が悪いと触り方が雑になります。


目線や距離感が不適切だと患者さんに不快感や圧迫感を与えます。



誰もが聞けば「そうそう!」と納得するものの、いざ実践となると知らないうちに悪い例をやってしまうもの。

体の使い方の訓練は、自身の無意識の動きの訓練でもあります。




◯鍼のための訓練は鍼の実践でのみ学ぶものか?

整動鍼のセミナーで体の使い方の話を聞いていると活法を思い出します。

注意するべきポイントが全く同じだからです。

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画像は活法研究会のHPより



整動鍼は活法から生まれたと言っても過言ではない技術なので当然といえば当然のことなのですが、最近は整動鍼のみを学ぶ人も増えてきたので知らない人もいるかもしれません。


整動鍼は鍼という道具を介して治療をしています。

またツボの定義がシンプルで鍼をしての効果がハッキリしていて、再現性が高いのも特徴です。


しかし、ここに1つの問題があります。









鍼という道具、整動鍼の理論が優秀すぎるが故に、体の使い方がまずくてもそこそこの成果が出せてしまうのです。



もちろん体の使い方が加わればよりツボ取りの精度が上がるため治療効果もより高まります。


一方、活法はというと体の使い方が技の成否を決定します。形だけを真似しても体の使い方という中身が伴わないと治療になりません。

いやでも体の使い方は上手くなっていきます。

活法は間違いなく整動鍼を扱う能力を底上げしてくれます。

「整動鍼を学ぶ者は活法もまた学ぶべし」と強く思います。



今回のセミナーは整動鍼を扱う上での活法の重要性を再認識することになりました。

整動鍼と活法の両方を学ばなければ見えない世界があります。
その可能性は未だに広がり続けています。

鍼灸界の革新はまだ始まったばかりです。
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